近年、「参考書ルート」といった言葉が流行っているように感じます。
それは某T塾が作った概念だと私は思います。
このルート通りに勉強すれば、難関大学に合格できると言われていますが、本当のところはどうでしょうか?
高校の偏差値50の人と高校の偏差値が65の人が塾で使用されている参考書ルートを使うと成績はどのように上がると思いますか?
今回は参考書ルートによって生まれる弊害とルート通りに勉強してもなぜ偏差値が上がらないのか?
を解説していきます。
1.思考力は積み重ね。
思考力が積み重ねでできています。
思考力は所謂「考える力」という意味で、もっと言えば理解力と読解力です。
文章を読んで、それを理解する力、その数が多ければ多いほど、考える力が備わります。
中学受験で偏差値65の高校にいる人が順当に大学受験の勉強をしたら、偏差値が65到達することができるのは、彼らが中学受験でみっちり3〜4年間考える練習をしてきているからです。
つまり頭の使い方、知識の運用の仕方、文章を読んで理解する力が中学1年生の時に備わっているから大学受験の時でも難なく対応できるのです。
びっくりするかもしれませんが、偏差値65以上(開成、桜蔭、慶應など)の国語の問題は大学受験の共通テストに匹敵するほどの難しさです。
中学1年生で共通テストレベルの学力があり、順当に勉強すれば東大や早慶といった難関大に合格は可能だと思いますよね。
このように地道な積み重ねによって考える力は備わっていきます。
積み重ねがない状態で、自分に合っていない教材を使用しても全く伸びません。
「難関大に行きたい!」と思い「ポレポレ」や「やさしい理系数学」をやり始めてもベースがない状態では身につきません。
まずは、基礎からしっかり固めましょう。
2.直ぐに成績が伸びる魔法なものは存在しない。
①でも記載しましたが、思考力や考える力は一長一短で伸びるものではありません。
しかし受験生は時間との戦いです。
なんとしてでも成績を伸ばしたい。何か方法はないのか?と常に考えています。
そこで、巷では「この参考書をいついつまでにこれを終わらせよう」
「次はこの参考書を片付けよう」「MARCHレベルの参考書の次は早慶レベルの参考書をやればいい」
といった方法論が溢れています。
確かにこれらの方法で難関大学に合格した受験生がいるので、合っていると思いますが、その通りに勉強すれば合格できるか?と言われれば「違う」と言えます。
そのレベルにあった教材を終わらせたら、そのレベルに適した演習問題で定義、定理を自在に使えるぐらい応用力が備わっていないと、いつまで経っても成績は伸びません。
早慶志望だからMARCHレベルの参考書を終えたら、早慶レベルの参考書に行きたがる気持ちは分かりますが、実力が身についていないのにその教材を使用しても自己満になるだけなので、止めた方がいいです。
まずは地に足をつけて学習をする。
基礎が完璧ではないのであれば、基礎を習得し、そこから学んだことを運用できるまで演習をし、運用できていないのに直ぐ難しい参考書に行かない。
以上のことを徹底すれば「○○」の参考書を使用しているのに伸びない。といったことは無くなります。
近年、逆転合格が巷に溢れていますがこれらは珍しいからPV数や再生数が取れるのです。
しかし,
現実は逆転合格のようなことは起こりにくいのが現状です。